もうすぐ社会保険労務士試験の季節です。先の記事で短期間で合格するための勉強法についてざっくり紹介しましたが、直前2か月に集中して行った勉強法について詳しく紹介します。本番で使える攻略テクニックもあわせて少し紹介します。
6月中旬の模試の成績は下位20%…
私は前年10月からTACの講座を受講していて、6月に模試を受験しました。3~4月に勉強できない期間が1か月あり、なんとか必死に5月末までにカリキュラムを消化したという状態で模試を受けましたが、結果は下位20%…><
圧倒的に下から数えた方が早い順位で、結果を見た時は凹みました。合格するには上位5%に入らなくてはいけないのに。そこで、残りの2カ月、必死に勉強をしました。
直前2カ月で行った勉強法
TACの直前対策カリキュラムの消化と並行して行ったのが、過去問(択一式のみ)5年分×7科目を本番2週間前までに全問やりきることです。
1日に1年分1科目(10問)やれば、35日で完了します。本番2週間前までに完了するように逆算して、余力のある日は2年分20問(同じ科目を)やります。
用意するもの
◆消えるボールペン2色(①やわらかい色、②目立つ色)※私の場合は水色とオレンジ
◆5年分の過去問題集 ※解説がついているもの
◆各科目のテキスト(今まで勉強に使っていたもの)
ポイントは、正解の選択肢を当てるのではなく、選択肢1つ1つにガチで向き合うことです。
問題集に消えるボールペンで直接書き込みをします。具体的なイメージはこんな感じです。


手順① 正しい選択肢or誤った選択肢、どちらを求められているのかマークする
正しい選択肢を求められている問題は「正しい」を〇で囲み、誤っている選択肢を求められている問題には「誤って」の部分に大きく×をつけます。「正しい」選択肢を選ぶのと、「誤って」いる選択肢を選ぶのでは、問題への取り組み意識が変わります。
また、長文を読んでいくと、何が求められているのか見失ってしまうので、どちらが求めらているのかマークシートに転記するときにミスがないようにします。
手順② 1つ1つの選択肢を正しい文章に書き換える
それぞれの選択肢は、どの部分をどのように訂正したら正しい内容になるか?という視点で、選択肢を読み、1本目のボールペン(水色)で該当部分を正しい内容に訂正します。
どういう文言・数値に訂正すればよいかはっきりしない場合は、下線だけを引き、そこがおかしいと思った根拠を書きます。全体を読んで誤っていると判断する場合は、根拠を余白に書きます。心の声を書き出す感じです。
それぞれの選択肢の内容は正しい内容なのか、誤っているのか記号の部分に〇または×をつけます。
5年前の過去問になると法改正により正解が変わってきてしまうものもありますが、この勉強法なら問題なく活用できます。
正しい選択肢を選ぶ問題と誤った選択肢を選ぶ問題、どちらが簡単かというと圧倒的に誤った選択肢を選ぶ問題の方が簡単です。1か所でも誤った内容を見つけることができればそれが正解だからです。
本番でのオペレーション
まずは手順①の通り、問題文の「正しい」に〇、「誤って」に×を大きくつける
正しい選択肢を選ぶ問題
◆1つ1つの選択肢を丁寧に読み込み、誤っている箇所をマークする
◆なぜ誤っているのか根拠を持って×をつける
◆誤っている根拠を簡単にメモする
◆消去法で選択肢を減らしていき、最終的に×がつかなかったものが正答
誤った選択肢を選ぶ問題
◆順番に選択肢を読み込み、誤っている箇所が発見できれば、それを正答候補とする
◆他の選択肢も読み、根拠を持って×がつけられないことを確認する
◆あまり時間をかけて深追いしない、正しい選択肢を選ぶ問題の方に時間を使う
手順①でマークした〇×と手順②でマークした〇×で一致する記号をマークシートへ
手順③ 解説を読んで2本目のボールペンで追記する
10問解き終わったら、解説を読んで自分の認識が間違っていないかチェックをします。1本目のボールペン(水色)で書いた部分が間違っていなければそのままにします。間違った認識で記入していた部分はこすって消して、2本目のボールペン(オレンジ)で正しい内容を追記します。
選択肢につけた〇×も違っていた場合は、こすって消して2本目のボールペン(オレンジ)で訂正します。
手順④ テキストを参照して、関連する内容を余白に記入する
誤った認識をしていた部分や誤りの根拠を全く書けなかった部分を中心に、テキストで復習をします。参照するテキストのページとあわせて覚えておこうと思ったキーワードや数値を問題集の余白に記入します。
ここまでをワンセットでやると1科目10問で2~3時間くらいかかります。
各選択肢の細かい内容まで確認することになるので、選択式の問題を解くために必要な知識も自然と身についてきます。
直前2週間にやったこと
1つ1つの選択肢にガチで向き合った書き込みのある過去問題集の2本目のボールペン(オレンジ色)で書かれた部分を中心に、テキストに戻って確認したり、その後の学習で覚えたことを追記していきます。
7月上旬に受けた模試の成績はちょうど真ん中くらい、上位50%まで到達しました。TACの直前対策を並行して受講し、実力テストも安定して50%くらいは得点できるようになってきたかなという感触でしたが決して良い成績とは言えず、難しいなと感じていました。
本番当日までにやれることは全部やった、だから最後まであきらめずに頑張ってこよう!と思い、試験会場へ。あれ?なんか今日の問題が一番簡単な気がする…!と感じ、結果合格しました。
本番で使える攻略法
選択肢は根拠を持って1つずつ消去していくのが原則ですが、どうしてもわからない時、迷いが生じた時のワンポイントテクニックです。
①フレーズで判断する
誤っている選択肢の内容にありがちなワード | 正しい選択肢の内容にありがちなワード |
すべて〇〇である 必ず~しなくてはならない 〇〇のみである | ~できる場合がある 〇〇とは限らない |
②一度マークしたものは確実な根拠を持って修正する
見直し段階で、「あれ?こっちの方が正答かもしれない…」と迷いが生じることが多々あると思います。それで修正した結果、最初に解答した方が正解だったなんてことも。そうなったら後悔が残ります。(最初に解答した方が正解である可能性の方が高い)
もし、最初にマークしたものから解答を変える場合は、確実な根拠をもって修正するようにしましょう。
③解答で同じ記号が続いても動揺しない
マークシートを塗りつぶしていて、例えばずっと「A」が続いてくると、どれかが間違っているんじゃないだろうか…と不安になりますが、ちゃんと根拠を持って選択肢をつぶして正答を出しているなら、自分を信じて同じ記号をマークすれば大丈夫です。
中小企業診断士の試験の時、正答「ウ」が5問くらい続いていてマークシートを塗っていてものすごい不安になりましたが、実際全部正答は「ウ」でした。今まで勉強をしてきて、正答「ウ」が多いなと感じていて、私は本番で迷ったら「ウ」をマークしようと決めてました。
消去法で2択くらいまでには絞れると思うので、今まで勉強してきて、この記号が正答に多いなと感じるものがあれば、最後はその直感を信じてマークするというのも一つの手です。

模試の結果が悪くても、直前期のがんばり次第で合格に届きます。
諦めずに最後までやりきることが大切です☆彡