2022年2月3日に名古屋青少年文化センター アートピアホールで開催された愛知県障害者雇用促進トップセミナーに参加しました。このセミナーは事業主・企業の人事担当者・障害者雇用に関心のある方を対象としたセミナーです。
セミナープログラム
◆障害者雇用優良事業所表彰
◆講演「障害者の雇用状況とこれからの障害者雇用」
「ICT×障がい×起業・雇用 - 『寝たきり社長』が問う『働く』ということ」
◆パネルディスカッション「テレワークを活用した障害者雇用」
このセミナーへの参加を通じて私が感じたことです。
障害を持つ当事者からの発信には説得力がある
雇用の場がなかったためICTを活用して自ら起業をされた佐藤仙務さんの講演では、発信される言葉つ一つに重みがあり、説得力がありました。
「働く」という強い意志を持ち、障害を持つ方ならではの視点から新たなサービス・事業を企画・提案・実践されていて、障害者ではなく起業家として見習いたいと思いました。置かれた境遇・環境ではなく、本人の強い意志・やる気次第なのだと強く感じました。
佐藤さんは「アイディアと働ける環境があれば社会貢献できる」「障害者を無理やり『雇用』するものではない。『雇用』に捉われず就労機会を作ることが大切」だと仰っていました。
何不自由なく働けている普通の人がそう発信しても、表面的に感じられてしまいますが、障害を持つ当事者から発信されると説得力が全く違いますね。
テレワーク促進と定着のために
パネルディスカッションでは実際にテレワークを推進された企業の方などが登壇されていましたが、印象に残った点が2つありました。
1つはテレワークの理解を得るには地道な活動が必要ということです。
やはりテレワークを推進する上で「社内の理解を得ること」が最も重要で苦労された点のようです。幹部を含めテレワークに前向きではない方は一定数いらっしゃいます。幹部に粘り強く効果やメリットを説明したり、他部門との交流の場で時には情に訴えたり、障害者雇用を推進する部門から必要性を発信していくことで徐々に理解が得られるようになったそうです。
障害者雇用という観点だけでなく、他の社員にとっても働きやすい職場環境になる・コア業務に集中できるようになる・負担が減るといった会社全体へのメリットを伝えていくことが大切だと感じました。
もう1つは、障害者の特性をしっかり見るという点です。
同じ障害を持っていても、一概にこうだと言えない個人差があるので、特性をしっかり見ることが大切です。特性によって環境の整え方は異なってきます。
できないことよりもできることにフォーカスする、本人だけに努力を押し付けるものではない、という言葉がとても印象的でした。
会社・組織で働く上では、できないことは努力してできるようにしなければいけないという考えが一般的かと思いますが、会社員の常識とはギャップがあるようです。
働く機会を作ることが必要
労働人口は減少し、育児・介護と両立しなくてはならない方も増え、職場に来ることができる人だけで仕事をするには限界が来ます。コロナをきっかけとして浸透しつつある「テレワーク」がその解決策の1つになると考えられます。
障害を持つ人が働く上でもちろん配慮は必要ですが、行き過ぎた慈悲的な配慮をするのではなく、個人の能力・特性をしっかり捉えて、働く機会を作るということが今後重要な課題になりそうです。